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【社労士合格率を徹底検証】なぜ低い?過去からの推移は?5項目で検証 

社会保険労務士の合格率についてアレコレ知りたい!

過去から令和4年まで合格率の推移は?

合格者の年齢層や職業は?

合格率が低い理由は?

などなどー

この記事ではそのような要望にお答えします。

社会保険労務士試験を目指すにあたり合格率はとても気になるところです。この記事では、社労士合格率について、最新の試験結果と過去からの合格率の推移、社労士合格率がなぜ低いか等について検証していきます。

❶ 社労士試験 2022年(令和4年)合格率

❷ 社労士合格率の推移

❸ 社労士合格者属性別比率

❹ 社労士の合格率が低い理由

❺ 社労士の合格率が高い予備校・講座

❶ 社労士試験 2022年(令和4年)合格率

2022年の社会保険労務士試験の結果について合格率と概要はこちらです。前年に比べ大きく合格者数と合格率が低下し、ここ数年では最も低い合格率となりました。合格者は約19人に1人となり非常に狭き門です。厚生労働省のウェブサイトにいろいろな情報が開示されていますので興味がある方はご参照ください。

【令和4年(2022年)第54回社会保険労務士試験の結果概要】

① 合格率       5.3%      (前年 7.9%)

② 合格者数      2,134人    (前年 2,937人)

③ 受験者数      40,633人    (前年 37,306人、対前年 8.9%増)

※厚生労働省ウェブサイトはこちら

令和4年(2022年)の合格基準と合格率低下の理由

今年はいわゆる救済が無かったため合格率低下に繋がったと推測されます。

【令和4年社労士試験合格基準等】
(1)選択式:27点以上かつ各科目3点以上
(2)択一式:44点以上かつ各科目4点以上
(3)受験申込者数:52,251人(前年50,433人)
(4)受験者数:40,633人(前年37,306人)
(5)合格者数:2,134人(2,937人)
(6)合格率:5.3%(前年7.9%)

❷ 社労士合格率の推移

過去から2022年までの合格率と合格者数の推移です。昨年まで5年間の合格率は6〜8パーセントと比較的安定していましたが、令和4年の合格率は5.3%と下洛しました。また、以前の過去では合格率と合格者数が激しく上下していた時期もあります。

年度受験者数合格者数合格率
2022年度40,6332,1345.3%
2021年度37,3062,9377.9%
2020年度34,8452,2376.4%
2019年度38,4282,5256.6%
2018年度38,4272,4136.3%
2017年度38,6852,6136.8%
2016年度39,9721,7704.4%
2015年度40,7121,0512.6%
2014年度44,5464,1569.3%
2013年度49,2922,6665.4%
2012年度51,9603,6507.0%
2011年度53,3923,8557.2%

2015年の大波乱と極端に合格率が低い理由

その中でもとりわけ目を引くのが2015年の社会保険労務士試験です。前年2014年の合格率9.3パーセントからなんと2.6パーセントまで大きく低下、合格者数も4,156人から1,051人まで約4分の1に低下するという事態が発生しています。

極端に合格率が低かった理由については公式な見解は発表されていませんが概ね以下の2つの理由と考えられます。

理由① 2015年社会保険労務士法の改正

理由② 適切な救済措置が為されなかった

理由① 2015年社会保険労務士法の改正

この年に行われた改正では、社労士が弁護士とともに法廷で発言できるという補佐人制度が設けられ、社労士が民事において大きな権限を持てるようになり、それによって社労士に求められる内容が増えました。

つまり、社労士の相対的地位が上がりこれまで以上に社労士に求められる能力の幅が増えました。社労士のレベルアップという動きが少なからず働いた可能性があります。

理由② 適切な救済措置が為されなかった

社労士試験の合格基準として総得点とあわせて科目別の最低点をクリアする必要がありますが、問題の難易度によって受験者の得点率が低い場合に、救済措置といって科目別の最低点を下げる措置が為されます。

2015年社労士試験では、労災の平均点が2.2点で9割の受験者が労災の得点が2点以下であり本来ならば救済措置の対象となるべきところが為されなかったため多くの受験者が不合格になったと言われています。

その後は、この点も改善されていて直近の過去5年間の合格率を見ても安定していますので、心配はないかと思います。

❸ 社労士合格者属性別比率

こちらは社労士合格率ではありませんが、実際に試験に合格しているのはどんな人?

というのも気になる所です。合格者の年齢や職業、男女比率を見ることで社労士試験の全体像がイメージできます。

2021年(令和3年)第53回社労士試験の合格者属性

※データ出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイト

2022年(令和4年)第54回社労士試験情報は近日中にアップデートします

① 社労士合格者の年齢別構成比率

最も比率が高いのが30代、続いて40代となっています。忘却曲線との戦いという面では年齢層が低い方が有利ですが、人事や総務職などで実務経験を積むことが知識の下支えになります。また、仕事上の必要性から社労士試験を受験する層がこの年代は多いことが想定されます。

さらに60代以上の方も多くチャレンジされ合格していることが分かります。最高年齢は73歳です。社労士試験は法律の範囲が広く深いですが、中高年でも充分チャレンジして合格を狙えるということがわかります。このデータでは各年齢層の受験者数は公表されていませんので合格率は分かりません。データを見つけたら分析して掲載したいと思います。

年齢層     合格者比率   
20 歳代以下12.8%
30 歳代35.6%
40 歳代28.5%
50 歳代16.9%
60 歳代以上6.2%

最年少者 20 歳、最高齢者 73 歳

② 社労士合格者の職業別構成比率

最も比率が高いのが会社員で実に6割以上を占めています。現在の業務で必要がある方、社労士資格でステップアップを狙う方など目的はさまざまなと思いますが社会人が多いことがデータからもわかります。2番目の無職ですが、育児などで一旦一線から離れた方が再び復帰するにあたり社労士資格にチャレンジする方も多いように感じられます。

職業     合格者比率   
会社員60.4%
無職10.3%
公務員7.8%
団体職員5.6%
自営業4.2%
役員3.4%
学生1.1%
その他7.2%

③ 社労士合格者の男女別構成比率

この現代において性別という区分自体が意味のないものかもしれませんが、男性が若干多いものの女性も約4割と、性別を問わず有用な資格であることが現れています。

男性    61.7%
女性38.3%

※データ出典:社会保険労務士試験オフィシャルサイト

❹ 社労士の合格率が低い理由

ここでは社会保険労務士の合格率がなぜ低いのか、合格率が低い理由について検証します。

他士業との比較

社労士の合格率が本当に低いのか?まずは客観的に比べてみます。

士業の代表格として10士業という区分がよく用いられますので、それぞれの士業の合格率を比較してみたいと思います。

なお10士業とは、社会保険労務士、土地家屋調査士、中小企業診断士、行政書士、弁理士、公認会計士、不動産鑑定士、弁護士、司法書士、税理士 になります。

こちらを見ると、社労士は10士業の中で3番目に合格率が低いということが一目瞭然です。社労士よりもさらに合格率が低いのは、司法書士と司法試験予備試験だけです。さらには、難関資格として有名な弁理士、公認会計士、土地家屋調査士よりも社労士の合格率が低いことがわかります。

◉ 10士業合格率比較(2020年)

※参考サイト 各実施団体等ウェブページ

1.司法書士   4.1%
2.弁護士(司法試験予備試験)         4.2%
3.社会保険労務士   6.4%
4.弁理士    9.7%
5.公認会計士   10.1%
6.土地家屋調査士   10.4%
7.行政書士   10.7%
8.中小企業診断士   18.4%
9.税理士   20.3%
10.不動産鑑定士   33.1%

ではなぜ社会保険労務士の合格率がこれほど低いのでしょうか?

社労士合格率が低い理由についてはいろいろな意見がありますが、主にこれら5項目が挙げられるのではないでしょうか。

理由① 科目合格がなく年に一発勝負

理由② 試験科目が多い

理由③ 科目ごとの基準点がある

理由④ 受験者は多忙な社会人が多い

理由⑤ 人気があり役に立つ

理由① 科目合格がなく年に一発勝負

税理士や中小企業診断士の資格試験では、合格した科目は翌年の試験では免除される制度があり計画的に科目合格を目指す方法がありますが、社労士試験では合格基準を超えた科目でも不合格になれば翌年の試験で免除されることはありませんので、試験としての難易度が上がり合格率が下がることになります。

理由② 試験科目が多い

社労士試験は8科目ありそれぞれに択一式と選択式の問題があります。加えて法改正など考慮する必要があり、試験範囲は広く深いといえます。理由①で記載しましたとおり、科目合格はありませんので、この範囲を全てカバーして臨む必要があります。

試験科目択一式 計7科目(配点) 選択式 計8科目(配点)
労働基準法及び労働安全衛生法10問(10点)1問(5点)
労働者災害補償保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
10問(10点)1問(5点)
雇用保険法
(労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。)
10問(10点)1問(5点)
労務管理その他の労働に関する一般常識10問(10点)1問(5点)
社会保険に関する一般常識1問(5点)
健康保険法10問(10点)1問(5点)
厚生年金保険法10問(10点)1問(5点)
国民年金法10問(10点)1問(5点)
合  計70問(70点)8問(40点)

理由③ 科目ごとの基準点がある

私もそうでしたが、皆さんも科目による得意不得意があると思います。例えば択一式で、国民年金法はいつもほぼ満点が取れるのに、労基法&安衛法はいつも2割しかできないなど。

しかしながら、社労士試験では厚生労働省により基準が定められていて、2021年は以下です。

*選択式試験で満点40点中24点以上かつ各科目満点5点中3点または2点以上(科目による)

*択一式試験で満点70点中45点以上かつ各科目満点10点中4点以上

この基準は毎年変動すると同時に、極端に平均点が低い科目などには救済措置が行われる可能性がありますが、基本的に得意不得意を作らず満遍なく得点することが求められます。

これも合格率が低い理由のひとつとして挙げられます。

理由④ 受験者は多忙な社会人が多い

こちらは直接的な理由とはいえませんが、受験者の多くが働き盛りの社会人であり多忙な日常から試験への準備が不足しているといわれています。確かに、前の項目でご説明した合格者属性から30〜40代の社会人が多く合格していることからこのゾーンの受験者も多いことが想像できます。

また、予備校や講座の調査結果が根拠となって、多忙で準備不足な受験者が多いことが合格率が低い理由として挙がっています。社労士は予備校に通う受験者は少なく社会人が仕事の傍らに取り組むという受験生像が想定できます。ただし、この点は勉強時間の作り方と勉強方法の精度を上げることで改善可能と思います。

理由⑤ 人気があり役に立つ

今さら改めて言うべきことではないかも知れませんが、社労士は資格としての魅力と権威があり将来性がある職業として世の中で必要とされている有望資格であるからこそ、低い合格率であっても毎年安定して多くの受験者を集めているといえます。

人気があり役に立つ資格だからこそ、多くの人が受験し難易度が維持されることで需要と供給の関係から結果として低い合格率で推移しているものと思われます。つまり社労士の合格率がなぜ低いかといえば、人気があるからとも言えるのではないでしょうか。

❺ 社労士の合格率が高い予備校・講座

最後に社労士の合格率が低いことは分かった上で、合格確率を上げるにはどうするかという点について、ひとつの解決法として受験対策講座を検証します。

予備校や講座の全てが社労士合格率や合格者数といった実績を公表しているわけではありません。そもそも合格率の計算にはマジックがあって、母数を受講者全員とするか実際に会場で受験した人数とするかで結果が大きく変わります。オンライン講座などでは途中で辞めてしまったり、合格したけど報告していないなど把握しきれないものです。

つきましては、参考として高い合格実績を公表しているスクールを調べてみました。

社労士合格実績ランキング 2021年(令和3年)


受講生の社労士試験合格率を公表しているスクールは実は2社のみでした。受講生の合格率は25〜30%で、全体平均の3倍以上の合格率を誇ります。

社労士合格率ランキング ベスト2

No.❶ フォーサイト 合格率 29.4%

No.❷ アガルート  合格率 25.0%

また、合格者の人数という形で社労士試験の合格実績を公表しているスクールもあることから、合格者数についても比較してみました。この3スクールの合格者数を合計すると1,212名となり、2021年の合格者数 2,937のうちの約41.3%に達します。

社労士合格者数ランキング ベスト3

No.❶ 資格の大原   合格者数 528名

No.❷ 資格の学校TAC 合格者数 442名

No.❸ フォーサイト  合格者数 242名

もちろんそれ以外の予備校やスクールでもそれぞれ独自のノウハウと学習メソッドで実績を伸ばしていますので、自分の学習方法に合う講座を探して選ぶことが重要です。

社会保険労務士の合格率についてアレコレ知りたい!という要望は解決しましたでしょうか?

これら5項目で社労士合格率について検証してまいりました。

❶ 社労士試験 2021年(令和3年)合格率

❷ 社労士合格率の推移

❸ 社労士合格者属性別比率

❹ 社労士の合格率が低い理由

❺ 社労士の合格率が高い予備校・講座

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