合格へのステップ② スケジュール化と勉強時間の確保
前々回と前回の記事でご紹介した社労士試験に独学メインで合格するための3ステップについて、前回に引き続きひとつづつ詳しくご説明していきます。今回は合格へのステップ②学習スケジュール設定と勉強時間確保についてです。
❶ スケジュール設定の3ステップ
ステップ① 受験日から逆算して勉強時間を1日単位まで落とし込む
・半年で最短合格の罠
・実際の勉強時間は計画を上回るのが理想
・初学者の合格平均勉強時間は1,000時間を超える?
ステップ② スケジュールをやり切れるか検証する
・何かを始めるということは何かを止めること
・試験対策が間に合っていなくても受験した方が良いか?
ステップ③ 手帳に記載する
❷ 勉強時間の確保の3ステップ
ステップ① まとまった勉強時間を捻出する
・近道を探す前に先ずは勉強時間確保
・勉強時間を捻出する選択肢は人それぞれ
ステップ② すきま時間を活用する
・スキマ時間を作るためのヒント
・隙間時間活用ツールの有効利用がカギ
ステップ③ 早起きして勉強する
◉ 社労士合格のための3ステップの記事をまだ読んでいない方はこちらから
社労士独学合格を決意して自分への決意表明をしたら、次にやることは
「合格までのスケジュールを立てる」こと、です。
自分と対話し自分自身で決めることで自分との約束になります。
スケジュールを立てている暇があったら勉強したほうがよい、そんなの時間の無駄、と思うあなたも最後まで読んでください。今日から合格までの道のりが再確認できます。
スケジュール設定の方法は次の3ステップです
① 受験日から逆算して勉強時間を1日単位まで落とし込む
② スケジュールをやり切れるか検証する
③ 手帳に記載する
ひとつずつ説明していきますね。
ステップ① 受験日から逆算して勉強時間を1日単位まで落とし込む
まず受験日を決め、勉強開始日を決めます。
具体的な時間配分の方法ですが、合格に必要とされる勉強時間の目安である1000時間をベースに考えると、1年間で合格を目指す場合は、
年1000時間(52週間)
⇒ 週19時間
⇒ 曜日ごとに月-金は 一日2時間、土日は 一日5時間
というように設定します。
受験日までの期間が10ヶ月の場合は、41週間など調整します。半年で目指す場合は、26週ということになります。
◉ 半年で最短合格の罠
巷では半年で最短合格とか、中には4か月で合格したという魔法のような話がありますが、実際の勉強時間は同じで短い期間に詰め込んだものと考えます。
つまり、半年で合格するには上記の計算で26週間で1,000時間確保するために、平日は一日4時間、休日は一日10時間という計算になります。
最短とは、期間のことで勉強時間のことではないと考えた方が良いと思います。
実際に計画通りに勉強時間を積み重ねることが出来るかというと、なかなか思い通りにはいかないものです。その場合に大事なことは、出来なかったらその分を別の時間でカバーするように心がけることです。
実際の勉強時間は当初計画した勉強時間を上回るようになるのが理想
上記の計算で、平日と休日で一日あたりの勉強時間を設定しましたが、日々の多忙な生活に流されてなし崩し的に勉強時間が減っていくようでは合格は遠ざかります。出来なかった分は外出などのスケジュールを変更したり、有給休暇を取得するなどして挽回するべきです。
さらに、勉強しているうちに進捗が遅いと感じられるようになり勉強時間を増やしたくなると思います。私の場合は、受験の3か月ほど前から昼休みの食後の時間と朝さらに早く起きることで勉強時間を増やしました。
つまり、計画した勉強時間は確実に勉強して、必要に応じて勉強時間を増やすことで、実際の勉強時間は当初の計画を上回るという結果になると思います。
初学者の合格平均勉強時間は1,000時間を超える?
社労士試験のスクール等が合格者へのアンケートなどから平均勉強時間は800〜1,000時間と言われています。また、予備校やオンライン講座をフル活用した場合に最短で500時間という記載もあり、近道が存在するように思えてしまいます。
しかしながら、一方で合格までの受験回数について、諸説ありますが1〜3回と6〜8回が多く平均として3〜4回と言われています。平均勉強時間と言われるものは合格した年の勉強時間である場合が多いためトータルの時間数はそれを上回ると考えた方が良いと思います。また、労務や年金の知識がない初学者であればさらに増えるものと思われます。
近道を探すより先ずは勉強時間を確保する
私の場合は、2回目の受験は上記のようにスケジュール化して1,000時間以上の勉強時間を確保しましたが、1回目の受験ははスケジュール通りには進まずおそらく500時間程度の勉強量であったと思います。つまり、私の勉強量は2回で1,500時間になります。
ステップ② スケジュールをやり切れるか検証する
社労士試験までのスケジュールを決めたら、やり切れるか検証することが大事です。
何かを始めるということは何かを止めることです
日常生活のなかで社労士受験勉強の優先順位を上げて時間を割くことができるかを自問して時間捻出方法を考えます。勉強の効率化はもちろん重要ですが、先ずは時間の確保が大事です。平日と休日のバランスも大事ですし、家族との相談も必要かもしれません。
自分が立てたスケジュール通りにできないほど歯がゆいことはありません。一日あたりの勉強時間の少なくとも半分はまとまった時間を充てて、残りは隙間時間の積み重ねという形が良いと思いますが、ご自身の事情と勉強スタイルで自分だけのやり方を見出すのが理想です。
試験対策が間に合っていないが受験した方が良いか?
今年受験するのか来年受験するのかという質問がよくありますが、直近の出願期限が過ぎている場合を除いては経験のためにもまず一度受験したほうが良いと思います。今から合格までに必要な勉強時間が確保できない場合は次の受験日程に照準を合わせることになりますが、会場の雰囲気や緊張感など次の本番に向けて貴重な経験を得ることが出来ます。
私の場合も1回目の受験で上着を持っていく必要があることを学びました。場所にもよりますが、季節がら汗をかいて会場に入り冷房が効いた会場で冷えてとても寒い思いをしました。これは知っておくべきですが、一度試験当日を経験しておくと試験解答以外の余計なストレスを減らすことができます。
ステップ③ 手帳に記載する
スケジュールを決めたら手帳に記載しておいてください。自分自身で決めたスケジュールです。きちんと守るために手帳など毎日見えるところに記載して確認をしましょう。
いかがでしたでしょうか。社労士独学合格のために自分自身でスケジュールを設定することの大切さをご理解頂けたでしょうか。
ここまで理解いただけましたら、次は勉強時間確保です。
勉強時間の確保は生活の中に勉強時間をつくることです
勉強の効率化や勉強の方法はもちろん重要ですが、先ずは生活の中に勉強時間をつくることが大事です。自分自身で立てたスケジュールに沿って、平日と休日に一日ごとに決めた時間を確保するステップはつぎの3つです。
① まとまった勉強時間を捻出する
② すきま時間を活用する
③ 早起きして勉強する
ひとつずつ説明していきますね。
ステップ① まとまった時間を確保する
何かを始めるということは何かを止めることです。
近道を探すよりも先ずは勉強時間確保が大事
日常生活のなかで社労士受験勉強の優先順位を上げて時間を割くことができるか自問して、まずはある程度まとまった時間の捻出方法を考えます。スケジュールで設定した一日の勉強時間の最低限半分はしっかりと集中して勉強できる時間を確保しましょう。効率的な勉強方法やツールを活用することはもちろん大事ですが、その前提としてしっかりと勉強時間を確保することが大事です。
勉強時間を捻出する選択肢は人それぞれ
スタバやマックが集中できるという方もいるかもしれません。以前、職場に40代で司法試験に合格した方がいましたが、出勤前に毎朝マックで勉強していたそうです。いろいろな選択肢から勉強時間を抽出する方法を見つけてください。
ステップ② すきま時間を活用する
実はすきま時間の活用が時間の確保と知識の定着に効果的と考えています。隙間時間を併用学習時間として活用し、知識の隙間を埋めていくこと、肉付けして膨らましていくことでより強靭な学習効果を得ることができるはずです。
◉ スキマ時間を作るためのヒント
限られた時間から少しでも隙間時間を作り出すのは並大抵のことではありません。こちらに隙間時間を捻出するためのキーワードを示します。
*暇をつぶさない
*隙間時間をつくる
*欲張らないマインドセット
具体的な隙間時間捻出方法はこちらを参照ください。
私が受験勉強していた頃はすきま時間は間違えた問題の解きなおしか用語チェックが主でしたが、現在はスマホでスキマ時間に苦手部分を映像学習や問題演習できる専用ツールがあり、このようなツールをいかに効果的に利用するかが重要です。
隙間時間活用ツールの有効利用がカギ
多くのオンライン講座がスキマ時間活用に特化したツールを提供していますが、スキマ時間活用ツールを選ぶ際は、
❶スマホでいつでもどこでも学習ができる
❷コンテンツがしっかりしている
❸負担の小さいリーズナブルな価格
という3点を考慮してください。
スキマ時間活用ツールの選び方はこちらを参照ください
ステップ③ 早起きして勉強する
ステップ①とステップ②で必要な勉強時間が捻出できない方は意外と多いと思います。慣れた生活スタイルはなかなか変えられないもの。家族がいるとなおさらですね。
そのような方にお勧めしたいのが、早起きして時間を確保することです。早起き抵抗がある方も多いかもしれませんが、慣れると集中できてよいです。朝活ですね。この場合、午後にどうしても眠くなって困るという場合は、替わりに昼休みなどに仮眠を入れるのもよいですね。
いかがでしたでしょうか。生活スタイルは様々ですが、あらかじめ自分に合った勉強時間確保をしておくことが大切です。また、すきま時間を活用するためのツール併用も検討したいところです。
ここまで理解いただけましたら、次は社労士合格のための3ステップの3つ目、ハイブリッドな勉強方法についてです。
合格へのステップ③ ハイブリッドな勉強方法