司法書士試験合格の難易度を客観的に知りたい!
とくに難関資格受験では、最新情報に基づいて正しく目指す資格の難易度を客観的に知ることで、やみくもに勉強するのではなく適切な対策をとることが大事です。
そこで、司法書士試験の難易度を客観的に理解するために、偏差値で表して大学入試や他資格と比較しました。
・最新2023年の司法書士合格偏差値
・司法書士の偏差値を大学で例えると
・過去10年間の司法書士合格偏差値の推移
・他の国家試験との偏差値比較
難易度を客観的に示す指標として偏差値があります。偏差値とは、言わずと知れた平均を真ん中として上か下にどのぐらい離れているかで優劣を図る指標です。
2023(令和5)年の司法書士合格偏差値
司法書士試験 2023年(令和5年)合格率
直近の司法書士試験の結果について概要はこちらです。ここ数年は合格率4〜5%程度で推移してきた司法書士試験の合格率ですが、令和5年は5.2%でした。
令和5年(2023年)司法書士試験の結果概要
① 合格率 5.2% (前年5.2%)
② 合格者数 695人 (前年 660人)
③ 受験者数 13,372人 (前年 12,727人)
※法務省のウェブサイトはこちら
司法書士合格率を偏差値換算
全受験者の平均値が偏差値50となりますので、受験者の半分が合格する資格試験なら概ね偏差値50ということになりますが、司法書士試験の合格率は5.2%(2023年:令和5年)です。下記の早見表から上位5.2パーセントはどの偏差値に該当するでしょうか?
【偏差値の早見表】
偏差値 | 上位パーセント | 何分の1か |
70 | 2.3% | 43.8 |
69 | 2.9% | 34.5 |
68 | 3.6% | 27.8 |
67 | 4.5% | 22.2 |
66 | 5.5% | 18.5 |
65 | 6.7% | 14.9 |
64 | 8.1% | 12.3 |
63 | 9.7% | 10.3 |
62 | 11.5% | 8.7 |
61 | 13.6% | 7.4 |
60 | 15.9% | 6.3 |
59 | 18.4% | 5.4 |
58 | 21.2% | 4.7 |
57 | 24.2% | 4.1 |
56 | 27.4% | 3.6 |
55 | 30.9% | 3.2 |
54 | 34.5% | 2.9 |
53 | 38.2% | 2.6 |
52 | 42.1% | 2.4 |
51 | 46% | 2.2 |
50 | 50% | 2.0 |
直近の司法書士合格率5.2%はこの表の赤文字の偏差値66の少し上あたりです。つまり受験者の中で偏差値66以上に入らないと合格圏に入れないことになります。やはり司法書士試験の難易度が客観的に見て高いことがわかります。
司法書士の偏差値を大学で例えると
数字だけではイメージが湧かないという方に、司法書士試験の合格偏差値を大学で例えるとどのランキングになるか比較してみたいと思います。
私立大学の偏差値ランクと比較した場合の目安
もちろん、受験者層も違えば受験科目も違いますので比較ランキングにすること自体に無理があると言う前提ですが。受験者数に対してどのレベルで合格できるかを知る目安になります。
ここでは河合塾の入試予想難易度ランキングの法学部で調査します。
◉ 偏差値65〜67あたりの私立大学(法学部)
※入試難易予想ランキング表より(2024年5月現在)
河合塾ランキング表では2.5刻みのため偏差値65-67.5の大学を表示します。
65-67.5 早稲田大学 法学部、慶應義塾大学 法学部、中央大学 法学部
法律関連の資格ということで法学部を選びましたがトップの難関大学ですね。
国公立大学の偏差値ランクと比較した場合の目安
私立大学だとイメージが解らないという方に、同じく国公立大学の法学部で調査しました。国公立大学は入試科目数が多いので便宜上偏差値+5補正しています。
◉ 偏差値65〜67あたり国公立の大学(法学部)
※入試難易予想ランキング表より(2024年5月現在)
河合塾ランキング表では2.5刻みのため偏差値65-67.5の大学を表示します。
65-67.5 東北大学 法学部、名古屋大学 法学部、神戸大学 法学部
こちらも法律関連の資格ということで法学部を選びましたが旧帝レベルに該当します。
過去10年間の司法書士合格偏差値の推移
司法書士試験の過去10年間の合格率の推移はこちらです。難易度の推移を偏差値で確認することができます。
司法書士試験 過去10年間の合格者・合格率・合格偏差値
ここ数年は合格率4〜5%程度で推移してきた司法書士試験の合格率ですが、直近の令和5年は5.2%となっています。
年度 | 合格率 | 偏差値 | 受験者数 | 合格者数 |
令和5年度(2023年度) | 5.2% | 66 | 13,372人 | 695人 |
令和4年度(2022年度) | 5.2% | 66 | 12,727人 | 660人 |
令和3年度(2021年度) | 5.1% | 66 | 11,925人 | 613人 |
令和2年度(2020年度) | 5.2% | 66 | 11,494人 | 593人 |
令和元年度(2019年度) | 4.4% | 67 | 13,683人 | 601人 |
平成30年度(2018年度) | 4.3% | 67 | 14,387人 | 621人 |
平成29年度(2017年度) | 4.1% | 67 | 15,440人 | 629人 |
平成28年度(2016年度) | 3.9% | 67 | 16,725人 | 660人 |
平成27年度(2015年度) | 3.9% | 67 | 17,920人 | 707人 |
平成26年度(2014年度) | 3.8% | 67 | 20,130人 | 759人 |
2019年までは合格偏差値67をキープしていましたが、2020年以降は合格偏差値66で推移しています。傾向として若干合格率が上昇しましたが、現在は66で安定しています。
最も偏差値が高い年と低い年を大学で例えると
最高合格偏差値 2014-2019年 偏差値67
過去10年間で司法書士試験合格偏差値が最も高かった=合格率が最も低かったのは、2014年の偏差値67です。といっても大学入試偏差値ランクは変わりません。
◉ 偏差値65〜67あたりの私立大学(法学部)
※入試難易予想ランキング表より(2024年5月現在)
河合塾ランキング表では2.5刻みのため偏差値65-67.5の大学を表示します。
65-67.5 早稲田大学 法学部、慶應義塾大学 法学部、中央大学 法学部
法律関連の資格ということで法学部を選びましたがトップの難関大学ですね。
最低合格偏差値 2020-2023年 偏差値66
過去10年間で司法書士試験合格偏差値が最も低かった=合格率が最も高かったのは、直近2023年などの偏差値66です。とはいえ、ランクは同じです。
◉ 偏差値65〜67あたりの私立大学(法学部)
※入試難易予想ランキング表より(2024年5月現在)
河合塾ランキング表では2.5刻みのため偏差値65-67.5の大学を表示します。
65-67.5 早稲田大学 法学部、慶應義塾大学 法学部、中央大学 法学部
法律関連の資格ということで法学部を選びましたがトップの難関大学ですね。
他の国家試験や難関資格との偏差値比較
司法書士試験の難易度を客観的に検証するために、他の士業や国家試験および難関資格試験と合格偏差値を比較しました。
他の国家試験と難関資格の合格偏差値ランキング
2023年(令和5年)の士業や国家試験と難関資格20資格について合格率をランキングと偏差値換算しました。もちろん資格により試験制度や受験資格など異なりますので、実際の難易度とは相違がある場合がありますのでご参考としてみてください。
※参考サイト 各実施団体等ウェブページ(2023年)
順位 | 資格名 | 合格率 | 偏差値 |
1. | 弁護士(司法試験予備試験) | 3.6% | 68 |
2. | 技術士(一次×二次) | 4.68% | 66 |
3. | 司法書士 | 5.2% | 66 |
4. | 中小企業診断士(1次×2次) | 5.5% | 65 |
4. | 不動産鑑定士(短答×論文) | 5.5% | 65 |
6. | 弁理士 | 6.1% | 65 |
7. | 社会保険労務士 | 6.4% | 65 |
8. | 土地家屋調査士 | 9.66% | 63 |
9. | マンション管理士 | 10.1% | 62 |
10. | 公認会計士 | 10.7% | 62 |
11. | 行政書士 | 13.98% | 60 |
11. | 測量士 | 13.98% | 60 |
13. | 宅建士 | 17.2% | 59 |
14. | 税理士(科目含む) | 21.7% | 57 |
15. | 管理業務主任者 | 21.9% | 57 |
16. | 通関士 | 24.2% | 57 |
17. | 賃貸不動産経営管理士 | 28.2% | 55 |
18. | 貸金業務取扱主任者 | 31.0% | 54 |
19. | 測量士補 | 32.2% | 54 |
20. | 競売不動産取扱主任者 | 34.4% | 54 |
司法書士より偏差値が高い資格試験とは
このランキング一覧から、司法書士試験より偏差値が高い資格は2資格だけです。司法試験予備試験と技術士だけが偏差値上位に位置しています。司法書士試験の合格偏差値66はトップ3の最難関資格の一角であることが判ります。
順位 | 資格名 | 合格率 | 偏差値 |
1. | 弁護士(司法試験予備試験) | 3.6% | 68 |
2. | 技術士(一次×二次) | 4.68% | 66 |
3. | 司法書士 | 5.2% | 66 |
合格可能性を高める方法は
司法書士試験について偏差値による客観的な難易度はイメージできましたでしょうか。では合格可能性を高める方法はあるのでしょうか?はい、あります!それは、合格率・合格者数といった実績が高い予備校や通信講座を選ぶことです。
独学メインの方でも+αで講座併用をお薦めします。学習教材の組み合わせによる自分だけのハイブリッド勉強法こそ、勉強時間を短縮し合格可能性を高めるために有効と考えます。
司法書士合格率が高い通信講座ランキング
司法書士試験の合格率について公表している予備校・スクールについて、この指標でスクールや講座の実力が一目瞭然になりますが、実は現在はアガルートだけが合格率を公表しています。
司法書士合格者数が多い通信講座ランキング
2023年(令和5年)司法書士試験について、受講生の司法書士合格者の総数という形で合格実績を公表している予備校・スクールはありませんでした。ただし、合格者の声という形で公表しているスクール・講座がいくつかありますので暫定ランキングとして比較します。(2023年12月末現在)
令和5年 司法書士 合格者数ランキング 暫定
ナンバー❶ 伊藤塾 合格者の声 93名
ナンバー❷ LEC 合格者の声 76名
ナンバー❸ TAC 合格者の声 52名
ナンバー❹ スタディング 合格者の声 21名
【絶対的おすすめの司法書士講座とは】
本当におすすめの司法書士講座とは司法書士試験に合格できる講座です。つまり合格率が高く合格者数が多い予備校や通信講座。
とはいえ司法書士講座は戦国時代!順位が毎年変動します。そこで最新2023年の予備校・講座の合格率・合格者数をランキング一覧。
いかがでしたでしょうか?司法書士試験合格の難易度を客観的に知りたい!という課題は解決しましたか?
この記事では、司法書士試験の難易度を客観的に理解するために、偏差値で表して大学入試や他資格と比較しました。
・最新2023年の司法書士合格偏差値
・司法書士の偏差値を大学で例えると
・過去10年間の司法書士合格偏差値の推移
・他士業との偏差値比較
とくに難関資格受験では、最新情報に基づいて正しく目指す資格の難易度を客観的に知ることで、やみくもに勉強するのではなく適切な対策をとることが大事です。
合格の近道は実績あるスクール・講座を選ぶこと
司法書士試験のスクール・講座の実力が一目瞭然!合格率・合格者数ランキング