社会保険労務士試験の内容について知りたい!
社労士試験の範囲や問題、難易度と合格ラインは?過去問はどうやって入手する?
この記事ではそのような疑問にお答えします。
社労士を目指す方または検討中の方必見の、社労士試験の内容、試験問題、合格ライン、難易度そして過去問の入手方法など社労士試験の真相についてご説明します。
❶ 社労士(社会保険労務士)試験の内容
いちど基本に立ち返って、社会保険労務士についておさらいです。さまざまな立ち位置から定義される社労士とは?について検証することで真相に迫ります。
社労士とは・・①
社労士は、社会保険労務士法に基づいた国家資格者です。
企業の成長には、お金、モノ、人材が必要とされておりますが、社労士はその中でも人材に関する専門家であり、「労働及び社会保険に関する法令の円滑な実施に寄与するとともに、事業の健全な発達と労働者等の福祉の向上に資すること」を目的として、業務を行っております。
社労士は、企業における採用から退職までの「労働・社会保険に関する諸問題」や「年金の相談」に応じるなど、業務の内容は広範囲にわたります。
社労士とは・・②
社会保険労務士とは、企業が発展するための重要なパートナー。
企業経営上の4大要素「人・物・お金・情報」の中で一番重要な「人」に関するエキスパートとして活躍します。経営効率化のため、人事・労務管理全般に関する問題点を指摘し、改善策を企業に助言していきます。さらには、少子・高齢化社会の到来で変革する医療保険や年金制度などへの相談にも応じていきます。まさにこれからの時代、「人」に関する諸問題を中心に取り扱う社労士の重要性は増すばかりです。
社労士とは・・③
社労士とは社会保険労務士の略称で、社会保険や労働関連の法律の専門家として人事や労務管理を行う人のことを指します。社労士は誰でも就ける職業ではなく、国家資格である社労士資格を取得している人のみが就ける仕事です。雇用や社会保険、労働問題、公的年金の分野では唯一の国家資格となっているため、需要の高い仕事です。
生涯教育のユーキャンウェブサイト社労士試験の内容
①社労士試験内容と配点
試験科目 | 択一式 計7科目(配点) | 選択式 計8科目(配点) |
---|---|---|
労働基準法及び労働安全衛生法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
労働者災害補償保険法 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。) | 10問(10点) | 1問(5点) |
雇用保険法 (労働保険の保険料の徴収等に関する法律を含む。) | 10問(10点) | 1問(5点) |
労務管理その他の労働に関する一般常識 | 10問(10点) | 1問(5点) |
社会保険に関する一般常識 | 1問(5点) | |
健康保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
厚生年金保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
国民年金法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
合 計 | 70問(70点) | 8問(40点) |
②合格基準
合格基準点は平成12年度以降、厚生労働省によって次のように定められています。
*選択式試験 総得点40点中28点以上、かつ各科目5点中3点以上
*択一式試験 総得点70点中49点以上、かつ各科目10点中4点以上
ただし年度ごとの出題難易度は変わるため上記基準をもとに補正が行われます。
なお2021年(令和3年)の合格基準(合格ライン)は以下です。青色の部分が補正されています。
*選択式試験 総得点40点中24点以上、かつ各科目5点中3点または2点以上(科目による)
*択一式試験 総得点70点中45点以上、かつ各科目10点中4点以上
選択式試験の合格基準の記載が曖昧ですが、具体的には下記になります。
年度 | 択一式 合格基準点 | 択一式 科目最低点 | 選択式 合格基準点 | 選択式 科目最低点 |
---|---|---|---|---|
令和3年 2021 | 45点 | 4点 | 24点 | 3点 (労一→1点,国年→2点) |
試験問題の難易度により補正が行われるとしても、社労士試験対策として目標とする得点目安は、全体の7割、かつ「択一式」は科目ごとに満点の40%以上、「選択式」では60%以上とする必要があるといえます。
❷ 社労士試験の合格ライン推移
上記のとおり試験問題の難易度に応じて最低得点ライン(合格基準)は変動します。合格ラインの過去から2021年までの推移は以下のとおりです。過去問を解く際は参考にしてみてください。
過去から2021年(令和3年)までの合格ライン推移
年度 | 択一式 合格基準点 | 択一式 科目最低点 | 選択式 合格基準点 | 選択式 科目最低点 |
---|---|---|---|---|
令和3年 2021 | 45点 | 4点 | 24点 | 3点 (労一→1点,国年→2点) |
令和2年 2020 | 44点 | 4点 | 25点 | 3点 (労一・社一・健保→2点) |
令和元年 2019 | 43点 | 4点 | 26点 | 3点 (社一→2点) |
平成3年 2018 | 45点 | 4点 | 23点 | 3点 (社常・国年→2点) |
平成29年 2017 | 45点 | 4点 (厚年→3点) | 24点 | 3点 (雇用・健保→2点) |
平成28年 2016 | 42点 | 4点 (常識・厚年・国年→3点) | 23点 | 3点 (労常・健保→2点) |
平成27年 2015 | 45点 | 4点 | 21点 | 3点 (労常・社常・健保・厚年→2点) |
平成26年 2014 | 45点 | 4点 (常識→3点) | 26点 | 3点 (雇用・健保→2点) |
平成25年 2013 | 46点 | 4点 | 21点 | 3点 (社常→1点、労災・雇用・健保→2点) |
平成24年 2012 | 46点 | 4点 | 26点 | 3点 (厚年→2点) |
❸ 社労士試験の問題
では実際の社労士試験の問題はどのようなものでしょうか。直近の試験問題は社会保険労務士オフィシャルサイトでPDFで公開されています。
社労士試験は、”択一式試験”、”選択式試験”ともに全てマークシート形式です。試験は午前中に“選択式試験”、午後に“択一式試験“となります。
◉ 選択式試験
試験時間 80分、40点満点
◉ 択一式試験
試験時間 210分、70点満点
❹ 社労士試験の難易度
続いては社労士試験の難易度について、最新の試験結果と過去からの難易度の推移について検証していきます。
社労士試験 2022年(令和4年)難易度
まずは直近の2022年の社会保険労務士試験の結果について合格率と概要はこちらです。前年に比べ大きく合格者数と合格率が低下し、ここ数年では最も低い合格率となりました。合格者は約19人に1人となり非常に狭き門です。合格率をベースに難易度を偏差値で表すと66で、2021年の偏差値64と比べるとさらに難化した結果となっています。厚生労働省のウェブサイトにいろいろな情報が開示されていますので興味がある方はご参照ください。
【令和4年(2022年)第54回社会保険労務士試験の結果概要】
① 合格率 5.3% (前年 7.9%)
② 合格者数 2,134人 (前年 2,937人)
③ 受験者数 40,633人 (前年 37,306人、対前年 8.9%増)
※厚生労働省ウェブサイトはこちら
社労士試験の合格率と難易度(偏差値)の推移
社労士試験の難易度を示す指標として過去から2022年までの合格率と合格者数の推移、そして偏差値を確認します。昨年2021年まで5年間の合格率は6〜8パーセント(偏差値64〜65)と難易度は比較的安定していましたが、2022年は一段難化して合格率5.3%(偏差値66)となりました。また以前の過去では合格率と合格者数が激しく上下していた時期もあります。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 難易度(偏差値) |
2022年度 | 40,633 | 2,134 | 5.3% | 66 |
2021年度 | 37,306 | 2,937 | 7.9% | 64 |
2020年度 | 34,845 | 2,237 | 6.4% | 65 |
2019年度 | 38,428 | 2,525 | 6.6% | 65 |
2018年度 | 38,427 | 2,413 | 6.3% | 65 |
2017年度 | 38,685 | 2,613 | 6.8% | 64 |
2016年度 | 39,972 | 1,770 | 4.4% | 67 |
2015年度 | 40,712 | 1,051 | 2.6% | 69 |
2014年度 | 44,546 | 4,156 | 9.3% | 63 |
2013年度 | 49,292 | 2,666 | 5.4% | 66 |
2012年度 | 51,960 | 3,650 | 7.0% | 64 |
2011年度 | 53,392 | 3,855 | 7.2% | 64 |
❺ 社労士試験の過去問活用
社労士試験について試験の内容、試験問題、合格ライン、難易度などについて検証しましたが、やはり試験対策として日常の勉強は実際の試験問題の過去問題中心が基本です。私は一冊の過去問を何周も解きまくりましたが、過去問の勉強方法にはいくつか選択肢があります。
ここでは過去問を勉強し尽くすために社労士試験の過去問入手と過去問活用について方法別に3パターンを検証します。
過去問題集を購入する
いちばんオーソドックスな方法です。私も過去問をメインテキストとして位置付け何回転も解きまくりました。
*使い方
冊子の過去問を購入して順番に解いていく。正解したら⚪︎、不正解なら×、正解したが自信がない・再度解きたいものは△と記入していきます。間違えた問題は都度解説を読んだうえで、参考書の該当部分と周辺を熟読して知識を増やしていきます。
*メリット
最初の数周はほぼ全部×ですが、だんだんと⚪︎が増えてきて自分の進歩が実感できます。また、×が多いところから復習していくことが可能です。
*デメリット
外出時は冊子の過去問と参考書、⚪︎×記載用のの筆記具と要点に貼り付ける付箋紙を手元に持ち歩く必要があります。
*入手方法
過去問は自分の視点で使いやすそうなものを選べば良いと思います。迷ったら一般的なTAC等の定番を購入してきださい。但し、買ったら迷わずやり切ることが大事です。
TAC出版オンライン書籍サイト【CyberBookStore】おススメ)よくわかる社労士 合格するための過去10年本試験問題集 1〜4
無料の“社労士過去問ランド”を利用する
なんと過去10年分以上の社労士試験の過去問が無料で利用できるウェブアプリがあります。問題と解答だけではなく解説付きで、さらに解答履歴や付箋機能もあります。いつ有料になってもおかしくない内容です。
*使い方
無料の会員登録で平成16年以降の社労士試験の過去問を解くことができます。基本は一問一答方式で、解答順序は、範囲順モード、出題順モードランダム順モード から選ぶことができます。さらに、学習履歴が保存されますので進捗管理や弱点補充が容易に可能です。
*メリット
何より無料で過去問が利用できます。さらに、解説や管理機能や付箋機能が使えるので利用しない手はないです。ウェブアプリなので、いつでもどこでもスマホでスキマ時間に学習を進めたり復習したりすることができます。
*デメリット
過去問を解くというアウトプットは充分ですが、解けなかった問題はアプリの解説だけでなく参考書等で学習して膨らましていく必要はあります。また、法改正等へのアップデートはされていますが、無料ゆえ更新情報の正確性など不安を感じる方もあるかもしれません。
*入手方法
社労士過去問ランドのウェブページにアクセスして会員登録のうえログインしてください。
オンライン講座の過去問解説講座を利用する
社労士試験まで時間が足りない方には、オンライン講座の過去問講座を利用する方法があります。オンライン講座の多くは過去問を分析研究して出題傾向からカリキュラム内容が作成されていますので、過去問解説講座にはエッセンスが凝縮されています。
*使い方
社労士試験対策のメイン教材として過去問演習が含まれるオンライン講座を受講することで、テキストと講義動画で過去問の重要エッセンスを凝縮して学習できます。
*メリット
社労士試験に向けて過去問の重要部分を動画講義で集中的に学ぶことができます。講座受講後に過去問を解いていくことで定着吸収が速くなることが期待できます。また、通常学習の中で一貫したスケジュールで学習を進めることができます。
*デメリット
オンライン講座受講料がかかります。過去問を単独で考えるのではなく社労士試験対策カリキュラムの一環と位置付けて考えることが必要です。
*入手方法
過去問講座があるオンライン講座を受講します。
例えばアガルートの“総合演習カリキュラム”には、“過去問解説講座”(講義約35時間)が含まれます。
アガルートの社労士講座社労士試験の過去問活用は非常に重要です。上記の3パターンを参考に自分の勉強方法に合わせて組み合わせて活用してください。
社労士を目指す方または検討中の方必見の、社労士試験の内容、試験問題、合格ライン、難易度そして過去問の入手方法など社労士試験の真相についてご理解いただけましたでしょうか?
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