ジャズを聴き始めたい方に最初の1曲をご紹介する入門ジャズナビゲーター。今回もアラフィフ世代にお勧めのオシャレで落ち着きがある名曲名演をお届けします。
今回はスティーブキューントリオの曲をご紹介いたします。
ピアノトリオの名曲名演です。
スティーブキューンは1938年NY生まれの現役でベテランのピアニストです。とにかくどんな曲をやっても美しい曲になります。そんな中でもこのサハランという曲は本人の作曲ということもあり最高にきれいな曲です。
また、このアルバムはVENUS(ビーナス)という日本のレーベルなのですが、音の良さには定評があります。きれいな曲をきれいな音で聴く。これが今的なジャズの聴き方ではないでしょうか?
名演を高音質で聴くという愉しみ方
名盤といわれる曲やアルバムには音質がめちゃくちゃなものもあります。評論本などでは必聴アイテムなんてありますが、どうしてもリラックスして聴くことができないのは私だけでしょうか?特に1950年以前のものは要注意です。「記録として残ってるだけでもありがたい」とはどうしても思えないのですが。。
静寂と情熱の融合
私の感想では、スティーブキューンの演奏は静寂と情熱を併せ持っているというイメージです。60年代のアルバム「トランス」というのも所有しているのですが、悪くはないのですがどうも内向的な印象があります。今のほうが聴きやすいと思います。
その中でも今日ご紹介するサハランは刹那的で逃避的な空気が全体に流れています。ちょっと寂しげな情景。「千と千尋の神隠し」の後半に出てくる海上を走る電車のような風景が連想される曲です。・・・イメージ沸きましたでしょうか?
スタンダードナンバーを独特のタッチで
アルバム全体的にスタンダードナンバー中心に選曲されており、それを彼の独特のタッチで仕上げています。まさに最初の1曲、最初の1枚にもってこいだと思います。
余談ですが、このサイトでご紹介させて頂いているような何度も聴きたいCDに出会えるのは5枚に1枚ぐらいです。他の4枚は1回とおしで聴いたかどうかです。それでも十分満足していますが。。
この「サハラン」には実は女性ボーカル入りの演奏もあります。全体に流れる空気感は近いですが、曲の雰囲気はだいぶ違います。こちらは深夜に近い感じです。聴き比べてみるのも楽しいのではないでしょうか?
data
「Saharan」 Steve Kuhn Trio
(サハラン) スティーブキューントリオ
録音:1998年9月11、12日
収録アルバム:「Love Walked In」(VENUS)
●オススメ時間 午後
→夕方と夜の間
●オシャレ度 ★★★★★
●音質 ★★★★★
●メジャー度 ★★★
●スタンダー度★★
ピアノ始めてみませんか?
49歳でピアノを始めて2か月後に予想以上に弾けるようになった経験をもとに、ピアノ準備から楽譜の選び方とつまづきポイント克服のステップをまとめました。